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論文

Four-dimensional Langevin approach to low-energy nuclear fission of $$^{236}$$U

石塚 知香子*; Usang, M. D.*; Ivanyuk, F. A.*; Maruhn, J. A.*; 西尾 勝久; 千葉 敏

Physical Review C, 96(6), p.064616_1 - 064616_9, 2017/12

 被引用回数:60 パーセンタイル:97.54(Physics, Nuclear)

We developed a four-dimensional (4D) Langevin model, which can treat the deformation of each fragment independently and applied it to low-energy fission of $$^{236}$$U, the compound system of the reaction n + $$^{235}$$U. The potential energy is calculated with the deformed two-center Woods-Saxon (TCWS) and the Nilsson-type potential with the microscopic energy corrections following the Strutinsky method and BCS pairing. The transport coefficients are calculated by macroscopic prescriptions. It turned out that the deformation for the light and heavy fragments behaves differently, showing a sawtooth structure similar to that of the neutron multiplicities of the individual fragments $$nu$$(A). Furthermore, the measured total kinetic energy TKE(A) and its standard deviation are reproduced fairly well by the 4D Langevin model based on the TCWS potential in addition to the fission fragment mass distributions. The developed model allows a multi-parametric correlation analysis among, e.g., the three key fission observables, mass, TKE, and neutron multiplicity, which should be essential to elucidate several longstanding open problems in fission such as the sharing of the excitation energy between the fragments.

論文

Partition of total excitation energy between fragment pairs in asymmetric and symmetric fission modes

西中 一朗; 永目 諭一郎; 池添 博; 谷川 勝至*; Zhao, Y. L.*; 末木 啓介*; 中原 弘道

Physical Review C, 70(1), p.014609_1 - 014609_10, 2004/07

 被引用回数:16 パーセンタイル:66.77(Physics, Nuclear)

核分裂における分裂片間での励起エネルギー分配機構と二重分裂モードとの関連性を調べるため、$$^{232}$$Thの陽子誘起核分裂において、核分裂片の質量数,運動エネルギーを二重飛行時間測定法を用いて精密に測定した。モンテカルロ計算によって、飛行時間測定で機器的に生じる「ゆらぎ」の影響がない分裂片から放出される即発中性子数をもとめた。非対称に質量分割する分裂モードと対称に質量分割する分裂モードが共存する分裂片質量領域(質量数98-107, 126-135)では、即発中性子数と分裂片全運動エネルギーとの相関に二重モードに由来する構造が観測された。この相関から二重分裂モードそれぞれの即発中性子数をもとめ、それに基づいて分裂片間での励起エネルギー分配機構を明らかにした。二重核分裂モードにおける励起エネルギー分配機構を初めて実験的に明らかにした。

論文

Time resolved photoemission spectroscopy on Si(001)-2$$times$$1 surface during oxidation controlled by translational kinetic energy of O$$_{2}$$ at room tempearture

吉越 章隆; 寺岡 有殿

Surface Science, 532-535, p.690 - 697, 2003/06

 被引用回数:22 パーセンタイル:69.36(Chemistry, Physical)

ナノ・メーターレベルでの薄膜の形成や加工技術、いわゆるナノテクノロジーを開拓するためには、原子・分子レベルで化学反応を解析しその知見を基に化学反応の制御に関する方法を見いだすことが不可欠である。近年の超LSIのゲート酸化膜厚の減少は、このようなナノ・メーターレベルの微細加工技術がなければ開発が不可能な状況である。そのためSi(001)表面の初期酸化過程に関する研究は、実験及び理論の両面から世界中で精力的に研究されている。このように極めて重要な反応系であるSi(001)表面の酸化過程のうち、最も基本的な清浄Si(001)-2$$times$$1表面への酸素分子の初期吸着反応を超音速分子線技術と高分解能放射光光電子分光法を用いて、ダイナミクスの観点から研究したので国際会議(nano-7/ecoss-21)にて発表する。すべての実験は、SPring-8の原研専用軟X線ビームラインBL23SUに設置した表面反応分析装置(SUREAC2000)で行った。超音速分子線技術を用いることにより酸素分子の並進運動エネルギーを、最大3.0eVまで変化させることが可能である。室温でSi(001)-2$$times$$1表面に並進運動エネルギーに依存して形成される酸化状態をSi-$$2p$$光電子スペクトルの内殻準位シフト(ケミカルシフト)から明らかにした。まず、並進運動エネルギーが0.6eVと3.0eVで比べると、飽和酸化膜厚が、それぞれ0.38nm及び0.26nmという極めて薄い酸化膜が室温で形成できることが明らかとなった。特に注目する点は、3.0eVの並進運動エネルギーの場合、膜中のSi$$^{4+}$$状態が多くなる、つまり膜のSiO$$_{2}$$化が進むことである。このように、並進運動エネルギーを制御することによりサブ・ナノメーターの酸化膜が形成及び制御できることが明らかとなった。

論文

Shapes of fragment mass-yield distributions and shapes of scissioning nuclei in actinides

Zhao, Y. L.*; 永目 諭一郎; 西中 一朗; 塚田 和明; 末木 啓介*; 中原 弘道*; 後藤 真一*; 谷川 勝至*

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.30 - 33, 2002/11

アクチノイド核種の核分裂における質量分布と全運動エネルギー分布の系統的研究から、分裂直前の分裂核の形状と質量分布の形状の相関が、主に3種類に大別できることを見いだした。高いエネルギーの核分裂で観測されるのは、変形度$$beta$$$$sim$$1.65の切断時形状から半値幅が質量数20以上の対称な質量分布を形成する。また、低・中エネルギーの軽アクチノイド核分裂でよくみられるタイプは、$$beta$$$$sim$$1.53の形状から半値幅がほぼ一定の質量数15の非対称な質量分布を形成する。そして重・超アクチノイドの自発核分裂で特徴的なのは、$$beta$$$$sim$$1.33の切断時形状から半値幅が質量数9と幅の狭い対称な質量分布であることがわかった。

論文

O$$_{2}$$分子のSi(001)表面への初期吸着とSiO脱離に及ぼす運動エネルギーの影響

寺岡 有殿; 吉越 章隆

表面科学, 23(8), p.519 - 523, 2002/08

O$$_{2}$$分子のSi(001)表面での初期吸着確率を室温で並進運動エネルギー3.0eVまで測定した。また、$$^{18}$$O$$_{2}$$分子とSi(001)表面の反応で脱離するSi$$^{18}$$O分子の収率を900Kから1300Kの範囲で代表的な並進運動エネルギー(0.7eV,2.2eV,3.3eV)で測定した。初期吸着確率は0.3eVで極小となり1eV以上では一定値を示したが、SiO脱離収率は1000K以上では並進運動エネルギーに依存して増加した。これはシリコン二量体の架橋位置とサブサーフェイスのバックボンドほの直接的な解離吸着によると解釈された。

論文

${it In situ}$ analysis using synchrotron radiation photoemission spectroscopy for initial oxidation of oxygen preadsorbed Si(001) surfaces induced by supersonic O$$_{2}$$ molecular beams

吉越 章隆; 寺岡 有殿

Surface and Interface Analysis, 34(1), p.432 - 436, 2002/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:8.63(Chemistry, Physical)

超音速0$$_2$$分子線と高分解能放射光光電子分光法を組み合わせることにより、Si(001)初期酸化反応の実時“その場"観察を行うことに成功したので報告する。これまで、われわれはSPrin-8原研専用軟X線ビームライン(BL23SU)に表面化学の実験ステーションを設置し、Si電子デバイス作製で極めて重要なSi(001)初期酸化反応に着目し研究を開始した。Si-2p光電子スペクトルの内殻準位シフト(ケミカルシフト)を用いて、分子線照射時間にともなう酸化状態の変化を分子線照射下で観察することに成功した。特に、並進運動エネルギーが3.0eVの場合、Si$$^{3+}$$に加えてSi$$^{4+}$$の成分が分子線照射時間とともに増加することを見いだした。このように、高分解能放射光光電子分光法を用いることにより酸素の並進運動エネルギーによって引き起こされる酸化状態の時間変化を明らかにすることができた。さらに、Si-2s、Valence bandスペクトルをSi-2p光電子スペクトルと比較することにより酸化状態の並進運動エネルギー依存性を明らかにした。会議ではこれらの知見をもとにSi(001)表面初期酸化におよぼす並進運動エネルギーの役割とその反応メカニズムを詳細に議論する。

論文

超音速O$$_{2}$$分子線を用いたSi(001)表面の初期酸化過程; 清浄表面と部分酸化表面での酸化反応機構の相違点

寺岡 有殿; 吉越 章隆

真空, 45(7), p.604 - 608, 2002/07

超音速分子線技術を用いてO$$_{2}$$分子の運動エネルギーを3eVまで加速し、Si(001)表面の初期酸化過程を研究している。Si(001)表面にO$$_{2}$$分子線を数秒間照射し、表面酸素量を光電子分光で計ることを繰り返してO$$_{2}$$吸着の時間変化をいろいろな運動エネルギーのもとで計測した。吸着曲線の一次微分から初期吸着確率(相対値)を求めた。その運動エネルギー依存性には0.3eVに極小が見いだされた。0.04eVから0.3eVまでは運動エネルギーの増加とともに初期吸着確率は減少した。これは前駆体経由で吸着が進むことを表している。一方、0.3eV以上では増加した。これは直接的な吸着を表している。

論文

Fission characteristics of individual deformation paths in heavy elements

Zhao, Y. L.*; 西中 一朗; 永目 諭一郎; 塚田 和明; 末木 啓介*; 谷川 勝至*; 後藤 真一*; 中原 弘道*

Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 3(1), p.103 - 107, 2002/06

$$^{210}$$Po,$$^{227}$$Ac,$$^{233}$$Pa,$$^{249}$$Bk,$$^{259}$$Mdの核分裂における質量分布,運動エネルギー分布の相関を系統的に調べ、非対称分裂経路と対称分裂経路の観点から切断時形状,全運動エネルギーと質量分布の核分裂特性を明らかにした。核分裂経路の終点の切断時形状は、分裂核の励起エネルギーによらず、非対称分裂経路では変形度$$beta$$~1.65であり、対称分裂経路では$$beta$$~1.53であった。このことからそれぞれの分裂経路に対応した運動エネルギーの系統性を分裂核の質量数と原子番号だけで記述できる経験式を見いだした。また、質量分布の分布幅や分布のピーク位置などの形状についての特徴は、二つの分裂経路の始点に対応する核分裂障壁位置での変形度の対称性や相対的な高さと強く関係していることがわかった。

論文

Si 2p and O 1s photoemission from oxidized Si(001) surfaces depending on translational kinetic energy of incident O$$_{2}$$ molecules

寺岡 有殿; 吉越 章隆

Applied Surface Science, 190(1-4), p.75 - 79, 2002/05

 被引用回数:12 パーセンタイル:53.16(Chemistry, Physical)

Si表面の酸化を原子レベルで精密に制御することは、MOSFETのゲート酸化膜の製作にとって重要である。本研究では超音速分子線と放射光光電子分光を用いてO$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーがSi(001)表面の初期酸化に与える影響を研究している。これまでに第一原理分子動力学計算で予測されていたO$$_{2}$$分子がSi(001)面上で解離吸着するときのエネルギー障壁を実験的に初めて検証した。1.0eVと2.6eVを境にしてSiの化学結合状態がO$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが高分解能光電子分光で確かめられた。さらにO-1sの光電子ピークが2つの成分から構成され、その成分強度比がO$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが新たに見いだされた。この事実はO原子の電子状態がその吸着サイトによって異なることを意味している。

論文

酸素分子の運動エネルギーによって誘起されるSi(001)初期酸化過程の高分解能光電子分光解析

寺岡 有殿; 吉越 章隆

放射光, 15(1), p.27 - 35, 2002/01

Si(001)表面の酸化過程に対する入射O$$_{2}$$分子の運動エネルギーの影響をシンクトロン放射光を用いた高分解能高光電子分光によって研究した。O$$_{2}$$分子の入射エネルギーは高温ノズルを活用した超音速シード分子線技術によって最大3eVまで制御した。部分酸化Si(001)表面を酸化後の飽和酸素量は入射エネルギーに対して2つのしきい値を示した。しかし清浄面の場合には単調な増加を示した。代表的な入射エネルギーで得られたSi-2p光電子スペクトルから、清浄面の場合にはエネルギー障壁のないバックボンドの酸化が示唆され、一方、部分酸化面の場合にはエネルギーに依存した直接的な解離吸着が示唆された。さらに、部分酸化表面ではSi-OHとSi-O-Siの構造の違いが0-1sの化学シフトとして実測された。Si-2pスペクトルを約1分きざみで測定し、酸化過程の実時間その場観察が行えたことは特筆される。

論文

部分酸化Si(100)表面のO$$_{2}$$並進運動エネルギーとその場放射光光電子分光観察

寺岡 有殿; 吉越 章隆

表面科学, 22(8), p.530 - 536, 2001/08

Si(001)面のパッシブ酸化に与えるO$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーの影響を光電子分光法を用いて研究した。加熱ノズルを使用した超音波シードビーム法を用いて、O$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーを最大3eVまで制御した。第一原理計算の結果に対応するふたつの並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)が見いだされた。代表的な並進運動エネルギーで測定されたSi-2p光電子スペクトルはO$$_{2}$$分子の直接的な解離吸着がダイマーとサブサーフェイスのバックボンドで起こることを示唆している。さらに、O原子の化学結合の違いもO-1s光電子スペクトル上で低結合エネルギー成分と高結合エネルギー成分として見いだされた。特に低結合エネルギー成分が並進運動エネルギーの増加とともに増加することが確認された。これもバックボンドの並進運動エネルギー誘起酸化を示唆している。

論文

Initial oxidation states on Si(001) surface induced by translational kinetic energy of O$$_{2}$$ at room temperature studied by Si-2p core-level spectroscopy using synchrotron radiation

吉越 章隆; 寺岡 有殿

Surface Science, 482-485(Part.1), p.189 - 195, 2001/06

シリコン表面上への酸素吸着メカニズムに関する研究は、表面基礎科学としての興味ばかりでなく、半導体デバイス作製技術として多く行われてきた。理論計算の示すところでは、化学吸着過程におけるポテンシャルエネルギー障壁は、1.0eVe以上と言われている。しかし、分子線を用いたこのエネルギー領域におけるSi(001)表面上の酸素化学吸着のダイナミクスの研究は、ほとんど行われていない。並進運動エネルギーが3.0eV以下の領域で、酸素吸着に関するエネルギー障壁を実験的に明らかにした。すべての実験は、SPring-8に設置された表面反応分析装置で行われた。並進運動エネルギーが、1.0eVと2.6eVに化学吸着の閾値が見いだされた。この閾値前後の並進運動エネルギーで酸化された表面を放射光光電子分光で調べたところ、それぞれ異なる化学吸着状態をとることを明らかにした。

論文

${it In situ}$ Si-${it 2p}$ core-level spectroscopy using synchrotron radiation for Si(001) initial oxidation by translational kinetic energy of O$$_{2}$$ molecules

吉越 章隆; 寺岡 有殿

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 26(2), p.755 - 758, 2001/06

SPring-8の原研専用軟X線ビームライン(BL23SU)において開始した表面反応ダイナミクスの放射光による「その場」観察に関して、第12回日本MRS学術シンポジウムにおいて発表を行う。SPring-8に建設した表面反応分析装置の特徴の一つは、並進運動エネルギーを制御した分子線照射下での表面反応を、SPring-8軟X線を利用した高分解能放射光光電子分光法を用いて「その場」観察できることである。Si(001)表面の初期酸化過程における酸素分子の並進運動エネルギーの役割を、Si-2p放射光光電子分光法による「その場」観察により調べたので、本会議において報告する。最近、第一原理計算により予想された反応のエネルギー障壁を実験的に明らかにするとともに、並進運動エネルギーと酸化状態との関係を詳しく調べた。放射光光電子分光法による表面反応の「その場」観察により、酸化反応における並進運動エネルギーの役割を明らかにできた。本研究で得られた知見は、近年の電子デバイス作製技術で要求される原子・分子レベルでの表面反応制御技術の基礎として役立つものと考えられる。

論文

酸素分子の並進運動エネルギー誘起Si(001)表面初期酸化過程の放射光光電子分光法による「その場」観察

吉越 章隆; 寺岡 有殿

真空, 44(3), p.195 - 198, 2001/03

これまでわれわれは、SPring-8の原研専用軟X線ビームラインBL23SUに表面化学反応分析用実験ステーションを建設し、酸素分子の並進運動エネルギーによってSi(001)表面の酸化が促進されることを見いだした。また、第一原理計算で予測される酸素分子の解離吸着反応のポテンシャルエネルギー障壁を実験的に検証することに成功した。今回、SPring-8の原研専用軟X線ビームラインBL23SUを利用した「その場観察」放射光光電子分光により、並進運動エネルギーに依存した表面酸化状態(SiO$$_{x}$$: x=1-4)を、Si2pの内殻準位シフトから明らかにしたので報告する。

報告書

表面反応分析装置の製作とそのSi(001)表面の初期酸化過程分析への応用

寺岡 有殿; 吉越 章隆; 佐野 睦*

JAERI-Tech 2000-080, 33 Pages, 2001/02

JAERI-Tech-2000-080.pdf:3.12MB

SPring-8の原研軟X線ビームラインの実験ステーションとして表面反応分析装置を設計・製作した。本装置では固体表面と気体分子の表面反応における並進運動エネルギーの影響を研究することを目的とし、超音速分子線発生装置、電子エネルギー分析器、質量分析器を設置して、おもに放射光を用いた光電子分光実験と分子線散乱実験を可能とした。本装置を用いてO$$_{2}$$分子によるSi(001)表面の初期酸化の分析を行った。理論的に予測されていたO$$_{2}$$分子が解離吸着するときのエネルギー閾値が実験的に検証された。さらにSi-2pの光電子ピークの構造から並進運動エネルギーに依存して酸化数の大きなSi原子が形成されることが明らかとなった。分子線散乱の実験においても並進運動エネルギーが2eV以上のとき表面温度が700$$^{circ}C$$以上でSiO分子の生成速度が急激に増大する現象が発見された。

論文

酸素分子の並進運動エネルギーで誘起されるSi(001)表面の初期酸化過程

寺岡 有殿; 吉越 章隆

極薄シリコン酸化膜の形成・評価・信頼性第6回研究会報文集, p.259 - 264, 2001/00

Si(001)表面の初期酸化過程をO$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーを利用して原子線レベルで制御し、また、軟X線放射光を用いてその場光電子分光法により表面分析することを試みた。本研究では超音速O$$_{2}$$分子線を用いてO$$_{2}$$分子を最大3eVまで加速できるために第一原理計算で理論的に予測されている解離吸着のエネルギー障壁を実験的に検証可能である。その結果理論値(0.8eV,2.4eV)にほぼ等しい並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)を実測した。この結果は並進運動エネルギーを選択することによって常温においてダイマーのバックボンドまで、さらには、サブサーフェイスのバックボンドまで直接解離吸着過程によって段階的にSi(001)表面を酸化できることを示している。さらに、放射光を用いてSi-2p光電子スペクトルを測定し、Si酸化数が並進運動エネルギーに依存することを見いだした。

論文

Initial oxidation of Si(001) induced by translational kinetic energy of O$$_{2}$$ supersonic molecular beams

吉越 章隆; 佐野 睦; 寺岡 有殿

Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 39(12B), p.7026 - 7030, 2000/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:41.35(Physics, Applied)

超音速O$$_{2}$$分子線を用いて、O$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーを変化させ、それによって誘起されるSi(001)表面酸化過程をXPS及び散乱分子線測定により明らかにしたので発表する。SiOの脱離を伴う酸化(Active oxidation)では、O$$_{2}$$分子の運動エネルギーが、3.0eV及び2.0eVの場合、基板温度700$$^{circ}C$$において、SiOの脱離及びO$$_{2}$$分子の散乱割合に大きな変化が見られた。しかし、並進運動エネルギーが、0.5及び1.0eVではこれらの現象がみられないことから、O$$_{2}$$分子の並進運動エネルギーがActive oxidationを増強する効果があることを見いだした。SiOの脱離を伴わない酸化(Passive oxidation)においても並進運動エネルギーの効果が見いだされた。酸化が、1.0eV及び2.6eVの並進運動エネルギーで増加した。これらは、Si表面の第1層のback bond及び第2-第3層間の酸化に対応することが、理論計算のこれまでの報告との比較よりわかった。

論文

Initial oxidation of Si(001) surfaces induced by translational energy of O$$_{2}$$ molecules

寺岡 有殿; 吉越 章隆; 佐野 睦*

Proceedings of 22nd Symposium on Dry Proceess (DPS 2000), p.85 - 90, 2000/11

Siの酸化膜はSi電子デバイスの中の電界効果トランジスタ(FET)におけるゲート絶縁膜や層間絶縁膜として用いられている。特にゲート絶縁膜には熱酸化膜が用いられ、その厚さはデバイスの微細化に伴って数十オングストロームに迫りつつある。そのような状況においては原子層レベルで酸化を制御する技術が求められている。新しい技術開発のためには酸化の初期過程に関する知見が必要である。本研究では超高真空下で清浄なSi(001)面をつくり出し、10$$^{14}$$分子/cm$$^{2}$$/secというビーム強度でゆっくり酸化できる分子線技術を用いて、Si(001)面の初期酸化過程における酸素分子の化学吸着の様子をその運動エネルギーをパラメータとして放射光を用いてその場光電子分光法で観測した。また700$$^{circ}C$$以上の表面温度で起こるSiO分子の脱離過程に対する運動エネルギーの影響についても述べる。

論文

シリコンと酸素の表面反応における運動エネルギーの影響

寺岡 有殿; 吉越 章隆; 佐野 睦

表面科学, 21(7), p.54 - 57, 2000/07

SPring-8の原研軟X線ビームラインに設置予定の表面反応分析装置の立ち上げ実験の一環として、シリコンの表面酸化反応の研究を始めた。表面反応分析装置の諸機能のうち、超音速分子線と質量分析器を用いて、シリコン表面で散乱する酸素分子を検出することで反応確率を見積もった。高温ノズルを用いたことで従来の研究より大きな並進運動エネルギー(最大約3eV)での実験が可能になった。自然酸化膜でおおわれたSi(100)表面からの室温での散乱は反応確率ゼロの散乱とみなせる。その散乱強度に対する各温度での清浄表面からの散乱強度の比が反応確率となる。並進運動エネルギーが2.9eVの場合の反応確率の表面温度依存性に、異常なふるまいが見いだされた。化学吸着から生成物であるSiOの脱離に反応スキームが変わる温度で反応確率の大きな変化がはじめて観測された。

論文

Variation of fission characteristics over the nuclear chart

永目 諭一郎; Zhao, Y. L.*; 大槻 勤*; 西中 一朗; 塚田 和明; 市川 進一; 中原 弘道*

Proceedings of 2nd International Conference on Fission and Neutron-rich Nuclei, p.183 - 185, 2000/03

最近アクチノイドの核分裂における二つの変形径路の存在(二重モード核分裂)が著者らによって初めて見いだされた。この二重モード核分裂の考え方をもとに、核分裂収率,核分裂片運動エネルギー,核分裂しきい値等に関して広範な質量領域での系統性について議論する。また超重元素領域における核分裂特性や、核分裂における動的変形過程について新たな提案を行う。

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